雰囲気は好きなんですが……ねえ?


Θ(シータ)は遊んでくれたよ (講談社ノベルス)

Θ(シータ)は遊んでくれたよ (講談社ノベルス)

読了。ストーリーに関してはノーコメントとしか言えない……つまり、印象に残らない。あってもなくても気にならない感じ。キャラに関してはオールスター出演、というか何というか。S&Mシリーズの続編と考えた方がいい。主役はほとんど萌絵に犀川先生。おまけに保呂草さんに、真賀田四季まで出る(四季は名前だけだけど)。あまりに主役級の役者が揃っているため、本来メインである筈のGシリーズの面々の影が非常に薄い。折角の海月君の推理も、結局犀川先生には及んでいなかったということだし。こういう形をとるのなら、海月君を犀川先生の弟子のような配置に据えれば、しっくり来る気がする。
森博嗣氏の作品は最早、ミステリとしては楽しみにはしていない。だが、作品に漂う独特の雰囲気、キャラ同士の会話が非常に魅力的で面白い。この二つの要素がある限り、これからのシリーズも購読する予定。
Gシリーズの『G』は『Greece』(ギリシャ)の『G』だった模様。なるほど。だから『Φ』とか『θ』なのね。以前実しやかに噂されていたQシリーズ(海月及介)は結局違ったらしい。S&Mにしろ、Vにしろ、四季にしろ、今までシリーズタイトルは人名で統一されていたのだが。Gシリーズには主人公がいないという暗示なのだろうか。……もしくはこれから『G』の名を持つキャラが現れるのか。