雪影-setuei- 攻略完了

 『雪女』という題材を上手く活かした良作。そして勿論、姉ゲーとしては一級品の出来。
 序盤では不可思議なものとされていた神秘や伝承が、終盤には解体されて一つ一つ現実の出来事に還されていったのが面白かった。イメージとしては京極夏彦氏のソレを思い浮かべると分かり易いかも。
 全編通して一つのテーマを一貫して描いているので、話が丁寧に纏まっていて良かった。ただ話があまりにも纏まりすぎていて、本筋に関わりのないところがほとんど描かれなかったのが、個人的には少々残念。もっとお遊びがあった方が嬉しかったかも……というのはちょっと欲張りすぎか。
 でも、成美ルートは欲しか(ry
 ルートは一応幾つかに分岐しているんだが、攻略順がほぼ定まっているので、実質的には一本道に近い感じ。そのため回を追う毎に徐々に核心に迫っていくという構成が組まれており、その辺りの仕掛けは中々秀逸。
 何か度肝を抜かれるような鮮烈なシーンがあるわけではなかったが、終盤で『主人公の両親がどうなったのか』が明かされる場面はかなりくるものがあった。主人公が遭難したときも同じ展開になっていたらある意味神展開だったんだが。
 あと予想以上にソッチのシーンが多いことに驚いた。どのシーンも結構濃厚だし。しかし、だからといってシナリオに無理矢理入り込ませているわけではなくて、シナリオとエロをしっかり両立させているのは好印象。でも、主人公は盛りすぎ(苦笑)。
 隠れキャラ(?)の蝉丸は、物語が進展する合図として上手く使われていたと思う。このキャラの登場が、話が次の段階に進むのだと知らせてくれる。
 そして蝉丸に惹かれてしまうのが私の性分。